倉敷市保健所に収容される犬は、人と暮らしたことのない「野犬」がほとんどです。
しかし、里親さんと暮らす中で甘えることを学び、家族という幸せを手に入れた子がたくさんいます。
今回は、ひどい皮膚炎で毛布の上に丸くなっていた、元保護犬「あつこさん」のお話です。
いまもなお、超絶ビビりさんで車は抱っこで乗り降り!?
そんなかわいい、かわいい元保護犬のあつこさんと、里親さんが幸せになったストーリーを、ぜひご覧ください。
\この記事でわかること/
あつこさんと里親さんの出会い
やんちゃ娘・やりたい放題の子犬期
お散歩成長記録
スレンダーな美犬に成長
迎えて4年。いまだに超絶ビビり
凛々しい外見・上目遣いがかわいい|あつこさん
倉敷市保健所出身のあつこさんは、大きなお耳、綺麗な長い指、締まったウエスト、抜群のスタイルで周囲を魅了します。
ただ、外見が凛々しいため「カッコいい男の子だね」と言われてしまうこともあるようです。
そんなあつこさん、実は上目遣いでアピールするのが上手!それを見れるのは、家族の特権なんですよ♡
わんこの名前 | あつこ(愛称:あっちゃん) |
推定年齢 | 4歳9ヶ月 |
うちの子記念日 | 2020.04.04 |
先住犬 | 先代ワンコ:保護犬5頭(お空へ) |
SNS |
ここからは、里親さん(以下:あつこさんのママ)に聞いた、元保護犬あつこさんの暮らしを紹介するよ!
虹のたもとで待つ5頭の保護犬たち
あつこさんのママはこれまでも保護犬と暮らしているんだよね?
2019年に亡くなった先代犬のモモちゃんは、動物愛護センターにいた子です。
19年と5ヶ月の犬生を静かに終え、今は虹のたもとにいる先代犬達と過ごしていると思います。
人の心を理解し、いつも傍で癒してくれたモモちゃん。とても手がかかったけど賢い子でした。
倉敷市保健所は「命を繋ぐ場所」
なんで倉敷市保健所に決めたの?
「倉敷市保健所ボランティアteamKAR」のメンバーFさんに会い、取り組みに賛同したからです。
はじめは近場の動物愛護センターや譲渡会に足を運び、次に倉敷市保健所を見学させていただきました。
保健所にいた子のほとんどが野犬で、時にはケガをした子も収容されるそうです。
あつこさんは、皮膚炎だったんだよね?
そうです。そうです。
たとえケガや病気で譲渡が難しそうな子でも、倉敷市保健所では職員さんができる限りの処置をされています。
さらに、それをボランティアさんがサポートされている「命を繋ぐ場所」だと知りました。
レインも保健所で具合が悪くなって、職員さんとボランティアさんに助けてもらったよ。
見つめられた瞬間、声をかけてしまった
あつこさんと出会った日のことを知りたいな!
実は、倉敷市保健所に訪れるまで、自分の年齢的に成犬を迎えるつもりでした。
しかし、ひどい皮膚炎で毛布の上に丸くなり、動かないまま上目遣いでじっと私を見つめてくれたあつこさんに出会い、つい「うちの子になる?」と声をかけてしまったのです。
子犬を迎える不安もありましたが、職員さん、ボランティアさんのワンちゃんに対する姿勢を見聞きし、この子を幸せにするお手伝いがしたいと思いました。
保護してくださった職員さん、親身になってくださったボランティアさん、厳しい環境のなかで生まれたあつこさんとの出会いに感謝しています。
現在も超絶ビビり!あつこさんの成長記録
家の中ではガウガウ、お外に出るのが怖かった子犬期
これまでも保護犬と暮らしてきましたが、元野犬のお迎えはあつこさんがはじめてです。
子犬の時は、とにかく「ガウガウ」がひどく、ソファーカバーを破壊したり、足の甲を噛まれたりもしました。
はじめての元野犬との暮らしに戸惑うことが多く、悩んだ時もあります。
そんな時でも、ボランティアさんがアドバイスをくださり、とても心強かったです。
子犬ならでは!?
やんちゃ娘、やりたい放題!
保護犬は「家ではやんちゃだけど、実は怖がりで人見知り」って子もいるよね。
あつこさんも同じです!家の中ではガウガウ、でもお外に出るのは怖いビビりさんでした。
近場をうろうろするだけで、散歩らしい散歩をできない日も多かったです。
- Step1迎えてすぐ
ワンちゃんに吠えられると庭から出られない
お家に入るのが怖くて毎回抱っこで帰宅 - Step21才頃
勇気を出して怖かった道を渡れた!
側溝を飛び越えられるようになった! - Step32才頃
1度も通れなかった歩道を駆け足で通れた!
- Step44才
隣家の先輩犬(豆柴さくらさん)が大好き
ママを見上げておやつ待ちができる
まだ時々パニックになっちゃう
小型犬に吠えられると逃げ帰る
ママと一緒に繰り返し練習中♪
散歩が苦手でも、毎日続けていれば、少しずつできるようになります。
まだまだ練習中な面もありますが、ゆっくり成長する過程を楽しみたいです。
いまだに超絶ビビり!パニックになった時は?
うちに来て4年が過ぎましたが、いまだに超絶ビビりです。
そのため、私以外が散歩に連れていけなくなってしまいました。
とくに散歩時はパニックになると、コマンドがまったく耳に届かなくなるからです。
パニックになった時はどうするの??
パニックになった時は、まず「落ち着くまで我慢」それから「ゆっくり歩く」の2つを心がけています。
病気も怪我もなく4年、スクスク成長
・人の言葉を理解できるようになった
・トイレを覚えてから失敗なし
・無駄吠えなし
・皮膚は弱いけど、病気も怪我もなし
人の心を理解し、スクスク成長した賢いあつこさんですが……。
トイレシートで1度手が濡れてから「もう2度と使わない!」となった時は、少し大変でした。
今は完全外派、トイレの失敗はありません。
家の中では寝ていることが多くなり、はじめての人が来ても吠えず、ケージに隠れて息を潜めています。
あつこさんは、はじめての人には興味を示すけど、2度目から完全スルーしちゃうんだって!
あとは、最近やっと、車に落ち着いて乗れるようになりました!でもなぜか、乗り降りは抱っこのままです。
お迎えして4年、23キロと体は大きくなったけど、まだまだかわいいあつこさんです。
わが子が1番!親バカになるのはどの家も一緒
私にとってあつこさんが大切な存在のように、あつこさんも私を信頼していると感じることがあります。
例えば、私が帰宅すると玄関まで迎えに来てくれるところです。
私の姉が帰宅しても、ケージに隠れて動かないのに、私の時は野太い声で歓迎してくれる姿を見るとかわいくてたまりません。
ほかにも、私の布団の中に潜って一緒に寝てくれたり、私しか散歩できないところなど、絆を感じる瞬間があります。
・すやすや、フガフガと寝息が聞こえる
・安心しきって白目の寝顔
・ソファーやベッドでくつろぐ
どんな姿も癒しの存在、見ているだけで本当に幸せです。
保護犬を迎えたい方にメッセージ
最後に、保護犬を迎えたい方にメッセージをどうぞ!
保護犬といっても、色々な生い立ちの子がいます。ですから、自分の生活にあった保護犬を迎えてほしいです。
私自身、先代犬を看取った後「もっと出来ることがあったんじゃないか?」「楽にさせてあげた方がよかったのかな?」と考えた時がありました。
そして、あつこさんを迎えたいま、一緒にできることが増えるたびに、先代犬たちもこんな時があったなと思い出しています。
人の心を理解し、いつもそばで癒してくれるワンちゃんは賢く、魅力的で、きっと家族を幸せにしてくれますよ!