ペットを飼うということは、命を預かり守ることです。
人慣れしていない保護犬や元野犬の場合は、とくに注意が必要です。
お山育ちの元野犬は、1度脱走させてしまうと自力で帰ってくることは難しいですし、愛想のいい子は、誘拐されてしまうかもしれません。
そして、どちらの子も事故にあう可能性があります。
この記事では、元野犬の保護犬を迎えた筆者が実践している「4つの脱走対策」について紹介します。
- 室内係留
- ダブル首輪、ダブルリード
- 鑑札、注射済票、迷子札の装着
- マイクロチップの登録
室内係留のやり方、愛用しているグッズを写真付きで解説!
脱走対策の参考になるとうれしいです。
犬を脱走させないために必ず守ってほしい4つの対策
脱走させないことは、愛犬の命を守ることです。
とくに人慣れしていない保護犬や元野犬は、怖がりな子も多く、パニックになると人を引きずれるくらい強い力を発揮します。
意外と力持ちなのよ。
保護犬を迎える時に、ボランティアさんに教えてもらった脱走対策は以下の4つ。
- 室内係留
- ダブル首輪、ダブルリード
- 鑑札、注射済票、迷子札の装着
- マイクロチップの登録
自由な行動を制限したり、首輪をするのは、かわいそうだと感じる方もいるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。
その理由は、「脱走させてしまう方がかわいそうだから」です。
脱走させるということは、命の危険にさらされることを意味します。
幸せにするために迎えた子だからこそ、リードという命綱でつなぐ必要があるのです。
馴れてきた頃が1番危険!室内係留ってどうするの?
保護犬を脱走させないためには、室内係留が必要です。
なぜなら、普段は大人しく固まっている子でも、脱走するタイミングを狙っている可能性があるからです。
たとえば「最近慣れてきた」「お散歩も楽しめるようになった」など、慣れてきたと油断した飼い主の隙を犬は見逃しません。
しかし、室内係留はあまり一般的ではなく、ピンとこない方もいらっしゃると思います。
ここからは「そもそも室内係留ってなに?」「どうやってやるの」という方に向けて、わが家で実践している2つの室内係留をお見せしますね!
ダンベルを使った係留
ひとつ目は、ダンベルを使った係留です。
犬の体重以上の重石であれば、ダンベルに限らず他のもので代用できます。
漬物石や、ブロックを使っている人もいるよ!
うちの子は15kgなので、8kgのダンベル2つを箱に入れています。
ボランティアさんのお家で2年間生活していた子なので、ワイヤーリードにしていますが、チェーンリードの方が噛み切る心配もなく安心です。
壁や柱に打ち付ける係留
もうひとつは、壁や柱などに直接打ち付けるタイプのものを使っています。
こちらは、ある程度行動範囲や、生活スタイルが決まってきたタイミングで新しく取りつけました。
壁に取りつける時は、必ず下地のある箇所に止めてください。
下地がないと、犬が引っ張った勢いで金具が外れてしまうおそれがあるからです。
うちは、大人2人でやっと持ち上げられるダイニングベンチに取り付けました!
【室内係留のポイント】
- 犬が噛みきれないチェーンリードがオススメ
- 体重以上の重石や柱につなぐ
愛犬の命を守るダブル首輪・ダブルリード
愛犬の命を守れるのは飼い主だけです。
そのためにも、命綱となるリードと首輪を必ずつけてあげてください。
これは、保護犬であろうとなかろうと同じことです。
動物愛護法では、努力義務とされており罰則規定はありませんが、各地方自治体の条例で、放し飼いについては罰則付きの規制がなされていることが多いです。
大阪府の条例を前提とすると、さくなどで囲まれていない庭で犬を放し飼いにすることやノーリードで散歩をする行為については、条例違反ということになります。
ベリーベスト法律事務所
首輪は、倉敷保健所ボランティアteam KARさんの商品と、革製のハーフチョークの2つを24時間つけています。
散歩の時は、それぞれの首輪にリードをつけて、装着時に引っ張って外れないかチェックするとさらに安心です。
うちの子はお散歩上手ですが、曲がり角の鉢合わせが苦手。
予想していなかった出来事に遭遇しパニックになると、日常では考えられない力と動きで逃げようとします。
瞬間的に引っ張って強い力が急に加わると、首輪やハーネスが抜けたり、突然ナスカンが破損したりする危険もあり注意が必要です。
散歩中パニックになってヒヤッとするたびに、ダブルリードの重要性を実感しています。
鑑札・注射済票の装着は飼い主の義務
鑑札、注射済票、迷子札、後述するマイクロチップは、脱走を防止するための物ではなく、万が一脱走させてしまった時に、どこに住んでいるのか明確にするための物です。
厚生労働省の公式ページでは、「飼い主の義務」に以下の3つが記載されています。
犬の飼い主には、
厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」
①現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
② 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
③ 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること
が法律により義務付けられています。
震災の時に鑑札と注射済票をつけていた犬は、いち早く飼い主さんが見つかったと言われています。
災害は、いつどこで何が起きるか予測できません。
もし、旅行先や外出先で災害が起きても「うちの子は大丈夫」と言えますか?
ぜひ迷子札の役割も果たしてくれる鑑札と注射済票の装着を、もう1度見直してみてくださいね。
さらに、見つけてくれた人が直接飼い主に連絡ができる、迷子札も装着しておくと安心です。
最近は、手頃な価格のオリジナルハンドメイド商品も増えています。
迷子札には、犬の名前、飼い主の苗字と電話番号を記載しましょう!
「法律だから」でなく「犬のために」マイクロチップ装着
2022年6月にマイクロチップの装着が義務化されました。
しかし、マイクロチップに飼い主の情報を登録しないと意味がありません。
マイクロチップ登録していても、そもそも保護された場所に専用のリーダーがない場合もあります。
マイクロチップの登録は必要ですが「常に」「誰でも見てわかる」鑑札と注射済票、迷子札を装着することが大切です。
知らないところに迷い込んで、寒くて怖い思いをするのも、お腹が減ったり、命を落とすのも、装着しなかった飼い主ではなく、装着されていない犬の方です。
「法律だから」でなく「犬のために」これまで紹介したすべてを装着してあげてください。
まとめ|脱走対策で保護犬の命を守る
首輪とリード、鑑札に注射済票、迷子札は、「言葉が通じないペットと飼い主をつなぐ方法」です。
脱走や迷子にさせてしまったりとしても、飼い主がわかれば、保健所に収容される前に帰れる可能性が高くなります。
保護犬に限らず、ペットの命を守れるのは、わたし達飼い主だけです。
「うちの子は大丈夫」でも「他の子は大丈夫でない」場合もあります。
後悔する前に、首輪や迷子札をつけ、リードを手にしっかりと握ってあげてください。