ペットを飼うということは、命を預かり守ることです。
人慣れしていない保護犬や元野犬の場合は、とくに注意が必要です。
自由な行動を制限したり、首輪をするのは、かわいそうだと感じる方もいるかもしれませんが、わたしはそうは思いません。
その理由は、「脱走させてしまう方がかわいそうだから」です。
お山育ちの元野犬は、1度脱走させてしまうと自力で帰ってくることは難しく、事故など命の危険にさらされることを意味します。
幸せにするために迎えた子だからこそ、リードという命綱でつなぐ必要があるのです。
この記事では、元野犬の保護犬を迎えた筆者が実践している以下の「4つの脱走対策」を写真つきでご紹介します。
- 室内係留
- ダブル首輪、ダブルリード
- 鑑札、注射済票、迷子札の装着
- マイクロチップの登録
室内係留のやり方、愛用しているグッズを写真付きで解説!
脱走対策の参考になるとうれしいです。
【元野犬の脱走防止】室内係留のやり方を写真つきで解説!
室内係留は、元野犬の脱走防止に有効です。
なぜなら、人との暮らしを知らない元野犬は、脱走するタイミングを狙っている可能性があるからです。
お迎えしてすぐはもちろんですが
・お座りを覚えた
・お散歩を楽しめるようになった など…
慣れてきたと感じる時期が1番危険です。
飼い主が油断する隙を狙っている子もいるよ。
しかし、室内係留はあまり一般的ではなく、ピンとこないものです…。
ここからは「そもそも室内係留ってなに?」「どうやってやるの?」という方に向けて、わが家で実践している2つの室内係留をお見せします!
係留方法①ダンベル(重石)
ひとつ目は、ダンベルを使った係留です。
私がダンベルを選んだ理由は、専用商品より安く、筋トレにも使えるからです。
ダンベルを2つにすると、女性でも移動しやすいです♪
ダンベルに限らず、犬の体重以上の重さがあれば、他のもので代用できます。
漬物石や、ブロックを使っている人もいるよ!
大切なのは、走って逃げられない環境を作ることです。
係留方法②壁や柱に打ち付ける
もうひとつは、壁や柱などに専用器具を直接打ち付ける係留です。
このタイプはペットも入店できるお店で使用されているため、見たことのある方も多いかもしれません。
私が選んだのは、中心が360度回転してリードが絡まらないタイプです。
こちらは大型犬まで対応した商品で、安心感があります。
デメリットは、壁や柱にダメージを与えること!
壁の下地の場所がわかる方、穴が開いても気にならない方にオススメです。
体重以上の重石や柱につなぎ、脱走させない環境をつくろう!
【元野犬の逸走対策】お出かけ編
ビビリな元野犬のお出かけは、特に気を使います。
では、具体的に何をすればいいのか?
誰でもすぐにできるのは、首輪とリードを2つずつつけるだけです。
なぜ2つずつつけるかというと…。主な逸走の原因が、首輪やリードの破損だからです。
首輪やハーネスが抜けたり、突然ナスカンが破損した時に、1つでもつながっていれば逸走を防げます。
逸走対策は、愛犬の命を守ること。リードと首輪は、ペットと飼い主をつなぐ命綱です。
首輪とリードは、1〜2年で新しいものと交換
金具がはずれないか確認するなど、事前チェックもお忘れなく!
・パニックになった時の対処法
・ダブルリードの重要性
なども紹介している「お出かけ練習法」もチェックしてみてください♪
保護犬に限らず全てのワンちゃんにしてほしい…迷子対策
・鑑札
・注射済票
・迷子札
・マイクロチップ
この4つは、脱走を防止するためのものではなく、どこに住んでいるのか明確にするためのものです。
万が一、脱走や逸走させてしまった時に、これらがあると保健所に行くことなくお家に帰れる可能性が高くなります。
それぞれ解説します!
迷子対策①犬鑑札・注射済票
犬鑑札と注射済票ってつけなきゃダメ?
なくしたら困るから家に置いてます。
マイクロチップ登録しているから大丈夫でしょ。
私も保護犬を迎えるまでは、同意見でした。
しかし、犬鑑札と注射済票をつけるメリットを知ってからは、常に首輪につけています。
そのメリットとは?
震災で迷子になった時、飼い主さんと再会できたと言われているからです。
上記データは、東日本大震災で、動物救護施設に保護収容されたペットのうち、首輪などを装着していた子の数です。
そのうち迷子札、犬鑑札、注射済票のいずれかをつけていた子は100%飼い主が判明したと示されています。
参照:東日本大震災におけるペットの被災概況(環境省)
つまり……。犬鑑札と注射済票をつけているだけで、大切な家族と再会できる可能性が高くなるのです。
犬鑑札と注射済票の装着。
実は、飼い主の義務のひとつです。
迷子対策②マイクロチップ
- Qマイクロチップが入っていたら犬鑑札は必要ない?
- A
答えはNO!理由は、マイクロチップの情報を確認するためには、専用の読み取り機が必要だからです。
さらに、マイクロチップは、飼い主の情報を登録しないと意味がありません。
先ほどお示ししたデータにも、「マイクロチップを装着していたもののAIPOへの登録がなく、飼い主が判明しなかった事例あり。」と記載されています。
マイクロチップ登録されていない、保護された場所に専用の読み取り機がない可能性があるから、犬鑑札、注射済票、迷子札が重要になります。
迷子対策③迷子札
迷子札の最大のメリットは、誰が見てもどこの子かわかることです。
見つけてくれた人が直接飼い主さんに連絡ができるので、保健所に収容される可能性が低くなります。
オシャレなハンドメイド商品もあり、アクセサリー感覚でつけられるのもうれしいポイントです。
迷子札といえば、GPSのついたAirTagも便利ですが、雨で濡れる、バッテリー切れ等にご注意ください。
迷子になったら何をすればいい?
保護犬に限らず、ペットの命を守れるのは、わたし達飼い主だけです。
しかし、いくら気を付けていても100%大丈夫とは言えません。
ここからは、迷子になってしまった時に飼い主がすることを、体験談を交えて解説します。
①連絡・確認
②SNSで拡散
③チラシの作成
④チラシ配りと聞き込み
⑤捜索
①関係各所に連絡・確認
②SNSで拡散
・迷子の掲示板等も利用しましょう。
・何らかの情報をくれた方には必ず確認、返信しましょう。
③チラシ作り
フリー素材のテンプレートを使用して作成→印刷(プリントパックやラクスルなどがオススメ)
④チラシを配りながら聞き込み
脱走した場所周辺から広げていきます。
できるだけ、聞き込みをしながら渡しましょう。←とても大事です!
チラシを渡す人は
○目撃情報のあった所
○犬の散歩をしている人
○ウォーキングやジョギングをしている人
○近所の住民(脱走した所が家から近い場合、家に帰ってくることも考えられます。)
○特に犬を飼っているお宅
○運送業者
○新聞配達の人
◯タクシードライバー
◯野良猫の餌やりさん
など。
※とにかく短期決戦が重要です。自分での捜索よりも、多くの方の目をお借りして、目撃情報を得る方が効率がいいです。
元野犬レイ君が脱走〜保護されるまで
まとめ|元野犬は脱走させないことが重要!命を守れるのは飼い主だけ
首輪とリード、鑑札に注射済票、迷子札は、「言葉が通じないペットと飼い主をつなぐ方法」です。
知らないところに迷い込んで、寒くて怖い思いをするのも、お腹が減ったり、命を落とすのも、装着しなかった飼い主ではなく、装着されていない犬の方です。
脱走や迷子にさせてしまったりとしても、飼い主がわかれば、保健所に収容される前に帰れる可能性が高くなります。
「法律だから」でなく「犬のために」これまで紹介したすべてを装着してあげてください。
「うちの子は大丈夫」でも「他の子は大丈夫でない」場合もあります。
後悔する前に、首輪や迷子札をつけ、リードを手にしっかりと握ってあげてください。