筆者の愛犬は、倉敷市保健所に収容された元野犬です。
2023年4月に、ボランティア譲渡でわが家に迎えました。
最初の数日は、クレートから動かず、ご飯も食べなかったので「なつかなかったらどうしよう」と不安でした。
この記事では、成犬の保護犬を迎えた最初の1週間の様子をご紹介します。
成犬の保護犬は、正直大変なところもありますが、時間をかければ必ず仲良くなれます。
ぜひ、最後まで読んで保護犬を迎えるためのヒントが見つけてみてくださいね。
では早速見ていきましょう!
保護犬の里親になる心構えとは?
保護犬がなつくのには、とても時間がかかります。
そして、迎えて最初の1週間は触れ合うどころか、さわれない子もいます。
また、嫌がること、些細なことでトラウマになる可能性もあるため、注意が必要です。
さらに、固まって動かない、ご飯を食べない子も多く、「なんとかしてあげたい」と思う飼い主さんも多いでしょう。
まずは焦る気持ちをおさえ、愛犬のペースに合わせて見守ってあげてくださいね。
最初の1週間で大変だったのは、こちらの3つ
- ご飯を食べない
- リードをつけさせてくれない
- 固まって動かない
保護犬を迎える前の準備
警戒心の強い保護犬には、安心できる場所が必要です。
なぜなら、安心できる場所があると落ち着いて過ごせるからです。
犬は、ソファーや机の下、狭い場所、部屋のすみを好む傾向があります。
これは寝ている時に、背後から敵に襲われないようにしてきた犬の祖先である、オオカミの習性の名残のようです。
まずは、犬が安心できるスペースを作り、ストレスを軽減してあげる準備を整えましょう。
大きさがどのくらい必要か分からない方、プラスチックや金属のケージが苦手な方は、わが家の作ったペットスペースも参考にしてみてください。
また、室内飼育・係留は、保護犬の命を守るための大切なルールです。
保護犬を迎える前に、脱走対策もチェックしておくと安心です。
最初の壁「食べない」「動かない」「さわれない」
保護犬を迎えてぶつかる最初の壁は「食べない」「動かない」「さわれない」です。
もちろん、うちの子も例外ではありません。
迎えた初日はクレートの中でじっと固まって動かず、犬がいる存在を感じられないほど静かでした。
その姿はまるで「怖い!見ないで!」と訴えているようです。
このように、警戒しているうちは“放っておく”のが1番で、自分から動きだすのを待ちます。
ご飯を食べない・水も飲まない
お家に来た初日に「ご飯を食べない・水を飲まない」のは、よくあることです。
これは、知らない人、はじめての環境に警戒している、または怖くて動けない状態だと考えられます。
うちの子を例にすると、ドッグフードをはじめて食べたのは、迎えて2日目の夕方です。
この時もすぐに逃げ込めるよう顔しか出さず、警戒している様子が伝わってきました。
3日目以降も、とりあえず食べてくれて一安心。と思いきや、次にご飯を残す「食べムラ」に悩まされたのです。
1番大変だった「ご飯を食べない」問題は、試行錯誤した結果、手作りご飯とドッグフードの併用で解決しています。
固まって動かない
ご飯を食べられるようになると、次に心配になるのが排泄です。
うちの子のような元野犬は、寝床では排泄せず、数日我慢できる子もいるといわれています。
そのため、クレートから出ないかぎり、排泄を我慢してしまうのです。
これは「自分の身を守るための本能」であり、お家での暮らしになれると逆にメリットになります。
動かないイコール排泄しない。
体への負担が心配でした。
さわれない・リードをつけられない
固まって動かない子にリードをつけるのは大変です。
なぜならビビリな子は、人の手や顔が近づいてくるのが怖いからです。
特に迎えてすぐの警戒している時期は、クレートの奥に逃げたり、無理にリードをつけようとすると暴れたりします。
また、元野犬が逃げようとする力は想像以上です。
最終的に、毎回リードをつけるのは困難だと判断し、慣れるまで散歩用のリードをつけたままの状態で乗り越えました。
庭で排泄→おやつを毎日続けました。
家族が楽しむ姿を見せると安心する
保護犬を安心させるためには、「ここゆっくり眠れるし、怖くない」と知ってもらうことが大切です。
たとえクレートの中で固まっていたとしても、犬は人の行動や表情、声のトーンなどを観察しています。
そのため、家族が楽しそうに話す姿、おいしそうに食事する姿を見せてあげるとよいでしょう。
「怖がってかわいそうだから」と、ひとりぼっちにさせるより、家族のいるリビングで一緒に過ごす方が慣れが早いと言われているのはこのためです。
「気になる!見たい!」気持ちをグッとおさえて、自分から近くに来るのを待ち続けて1週間。
ようやくクレートから出て、マットの上で休めるようになりました。
思っていたより順調に慣れが進んだのは、ボランティア譲渡のおかげだと思っています!
ボランティア譲渡を選んだ3つの理由
亡くなった先代犬も、今回迎えた子も同じボランティアさんにお世話になりました。
ボク達の故郷は、倉敷市保健所ボランティアteamKARだよ!
私が、今回もボランティア譲渡を選んだ3つの理由は、以下の通りです。
- 困った時にすぐ相談できる
- 人のやさしさを経験していて比較的慣れが早い
- 好きなこと、嫌がることが事前に分かる
それぞれ解説します。
困った時にすぐ相談できる
保護活動をしているボランティアさんは、譲渡してからもずっと、その子の幸せを願っています。
どんな小さな悩みでも、相談すれば同じように心配し、かわいい写真を送れば、一緒になって喜んでくれる心強い存在です。
人のやさしさを経験していて比較的慣れが早い
ボランティア譲渡の場合、人と暮らし、やさしさを経験しています。
そして、おいしいものも知っています。
ですので「ここはおいしいものをくれる。ゆっくり眠れる」と分かると、比較的早く慣れます。
好きなこと、嫌がることが事前に分かる
好きなこと、嫌がることが事前に分かるのは、保護犬と仲良くなるために重要なポイントです。
うちの子は、肉食系女子と聞いていたので「牛タンのおやつ」を使って距離を縮めました。
また、「嫌なことをされると、お口が出るかも?」という事前情報のおかげで、慎重に行動できました。
困りごとより幸せな時間の方が多い
- 2週間以上の夜泣きを一緒に泣きながら乗り越えた
- お散歩はまず、抱っこして歩くからスタート
- おもちゃに震えて拒否
- なんでもかんでも噛んで破壊
- ケージの壁を高くしても抜け出した
これは、「倉敷市保健所からワンコを迎えた里親さんインタビュー」で里親さんに聞いた困りごとの一部です。
保護犬でもそうでなくても、犬はかわいいだけではありません。
悪さもしますし、トイレの失敗もあります。
それでも里親さんは、「この世で1番かわいい犬」「この子がいてくれるだけで幸せ」などと、困りごとより幸せな時間の方が多いと言われていました。
まとめ|最初の1週間は「食べた」「動いた」「さわれた」
今回は、保護犬を迎えた最初の1週間で大変だったことを紹介しました。
最初の1週間で出来たのは、「食べた」「動いた」「さわれた」だけです。
この記事を読んで「やっぱり保護犬は大変そう」と感じた方もいれば、「ひかえめな姿がかわいい」と感じた方もいるでしょう。
自力で食べ物を探し外敵から身を守り生きてきた野犬は、とても賢く家族と認識すれば素晴らしいパートナーになります。
「小さな命を助けたい」「引き取ったからには幸せにしてあげたい」と思う気持ちがあれば大丈夫!
あなたの優しい心が犬を癒し、強い絆で結ばれた時には、最高のパートナーになるはずです。
倉敷市保健所には、ずっとのお家を待っている子がまだまだいるよ。
倉敷市保健所ボランティアteamKARのInstagramをチェックしてね!
▼1年後の姿も見ていただけると喜びます!